【徹底解説】支所・出張所ではたらくメリットとデメリット

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いつも住民票を出してくれる支所の職員ってどんな働き方をしているんだろう?

本庁舎でも激務はもう嫌だ・・・。次の異動希望先に出張所って書こうかな

住民にとって身近だけど、住民票の発行以外何をしているのかがよく分からない出先職場。

インターネットで調べても、支所や出張所の情報はほぼ出てこないです。

そこで本記事では、実体験にもとづいた支所・出張所で働くメリットとデメリットを紹介します。

本記事を読むことで、本庁舎と出先職場の違いや出先職場のやりがいが分かります。

異動希望先に出先職場を考えている現役公務員、将来配属されるかもしれない受験生におすすめの内容です。

この記事を書いている人
  • 都内区役所に10年間勤務後、Webライターとして独立
  • 出先職場(出張所)で4年間働いた経験あり
  • 出張所では街おこしや防災などを担当

支所(出張所)のメリット

わたしが出先職場で働いて感じたメリットは以下の5点です。

メリット
  1. 仕事に慣れれば定時帰りできる
  2. 地域住民といっしょに仕事ができる
  3. 街への愛着がわく
  4. お役所の全体像がわかる
  5. 総合的なスキルが身につく

①仕事に慣れれば定時帰りできる

本庁舎と比較すると、支所・出張所は仕事量が少ないです。

配属1年目は残業が40時間/月くらいありましたが、配属2年目以降はほぼ残業ゼロ。

しんのすけ

毎日残業している同期職員に対して申し訳なく思ったこともあります・・・

ただし、残業時間は職員の抱えている仕事内容によります。

出張所で忙しいのは予算担当。担当になった職員は、予算編成や決算の時期に夜10時まで残業していましたね。

②地域住民といっしょに仕事ができる

ゴミ拾いをするボランティアの男性や女性の写真

支所・出張所は地域住民とともに仕事をすすめる機会が豊富です。

わたしは街おこしや防災を担当していたので、町内会長さんやPTA会長さんたちと関わる機会が多かったです。

少子化で地元の子ども会が解散してしまった経験を持つわたしにとって、地域コミュニティ活性化に貢献できる仕事はやりがいがありましたね。

加えて、地域住民たちは若手職員の働きっぷりを見てくれています。

イベントのあと「若い人がいると助かるよ!」「ありがとう!」と感謝の機会をいただくことがあり、とても嬉しかったです。

③街にくわしくなる

地域に密着した仕事柄、街にくわしくなります。

町内会長さんやPTA会長さんと話していると、街の歴史・文化・トレンド情報が流れてくるのです。

町内会長

ここの歴史は江戸時代から始まって、関東大震災後の復興事業で栄えたんだよ〜

また、職場周辺のお店でランチを食べるため、地域のおいしいお店を開拓する機会も多いです。

しんのすけ

「歩く食べログ」と言われた時期もありました!

知的好奇心がある方やグルメな方は、出先職場で働くと刺激的な日々を過ごせるはずです。

④お役所の全体像がわかる

お役所が住民に提供する行政サービスの全体像がわかる点もメリットです。

実のところ、支所や出張所は仕事のデパートです。

窓口だけでも以下のような取扱業務を行なっています。

区分取扱業務
住民登録住民票の発行、転入届、転出届、転居届の受付など
戸籍戸籍謄本・抄本の発行、出生届、死亡届、婚姻届の受付など
健康保険・年金国民健康保険(国民年金)加入・脱退の手続きなど
子育て児童手当、子ども医療証の手続きなど
納付住民税、国民健康保険料の納付など
マイナンバーマイナンバーカードの交付、暗証番号変更など
支所・出張所の窓口取扱業務の一例

さらに、以下のような地域振興業務を行なっています。

区分取扱業務
地域活動地域コミュニティ(町内会・自治会、PTA、商店街など)支援、地域イベントへの参加
防災地域防災計画の作成、防災訓練の企画・実施、避難所運営組織支援など
庁舎管理備品の管理、修繕計画の作成、予算要求、施設課との調整など
環境環境美化活動の支援、害虫の苦情対応など
その他区民向け広報活動の実施、各種パンフレットの配布、義援金受付など
支所・出張所の地域振興業務の一例

このように幅広い業務を扱っている性質上、支所・出張所で働いているとお役所の全体像が掴みやすいです。

⑤総合的なスキルが身につく

業務の掛け持ちが当たり前なので、総合的なスキルが得られます。

公務員といえば、同じ仕事を淡々と続けている印象をお持ちの方が多いはず。

しかし、支所・出張所では仕事内容が日によって変わるのです。

しんのすけ

新人研修の講師として街の魅力を紹介したり、地域の社交ダンス教室の運営をしたり、ちょっと変わった経験もしました。

当然、必要なスキルも仕事によって異なります。

文章力を使って上司を説得することもあれば、対人折衝力を使って地域住民との交渉をすることも。

公務員として、社会人としての総合力が試される仕事内容です。

支所(出張所)のデメリット

支所・出張所にはデメリットもあります。それは、以下の3点です。

デメリット
  1. 本庁舎の職員と疎遠になる
  2. 専門性が身につかない
  3. トラブル対応が多い

①本庁舎の職員と疎遠になる

一番のデメリットは本庁舎の職員とかかわる機会が減ることです。

民間企業と同様に、お役所でも人間関係が大事です。

仲のいい職員が他部署にいると、仕事で困ったときに助言してくれますからね。

その点、支所・出張所勤務は人間関係の幅が狭まり、役所人生に影響するリスクがあります。

また、研修や会議がある日をのぞいて、同期職員と気軽にランチへ出かけることもなくなります。

しんのすけ

浦島太郎状態になるので、本庁舎勤務に戻ったときに同期の退職や結婚を知り、衝撃を受けます

②専門性が身につかない

ディスカッションをしている男性と女性の写真

広く浅い仕事内容なので、専門分野を極めるのが難しいです。

本庁舎の部署では、担当している仕事に関しては「役所内でいちばん詳しい人材」になれます。

たとえば、契約課であれば入札制度の知識、会計室なら出納関係の知識が深掘りできます。

しかし、支所・出張所は特定のスキル・知識に詳しくなる機会が少ないです。

わたしのように好奇心旺盛なタイプはともかく、職人タイプの職員にとっては成長を感じられない環境といえます。

③トラブル対応が多い

地域住民にとって身近な存在であるがゆえに、クレーム対応・トラブル対応が多いです。

特にあるあるなのが、他部署あてのクレームを電話口で受けること。

もちろん、住民目線でいえば担当部署かどうかは関係ありませんので、電話を受けることは当然です。

しかし、事情がよくわからないまま、怒っている住民の話を聞く時間は、精神的に疲れます。

しんのすけ

「お客様からうかがった件について、担当にしっかりと伝えます。」と答えるしかないです・・・。

まとめ:支所・出張所の仕事は若いうちに経験しておくべき

オフィスで何かをノートに書いている女性の写真

今回はメリットとデメリットの両面から、支所・出張所の仕事を紹介しました。

個人的には、若いうちに支所・出張所で働くのは良いことだと強調したいです。

地域住民と直接関わるなかで、行政に何が求められているのかを知る。そのような経験ができる部署は貴重です。

専門性の低さや人間関係の特殊さを挙げましたが、本庁舎に異動すれば取り返せることです。

支所・出張所に配属されたら、きっと公務員人生の大きな糧(かて)になるでしょう。

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