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【徹底解説】10年間働いて気づいた地方公務員のメリット6つとデメリット4つ


こんにちは!市役所で10年間働いた経験のあるしんのすけです。現在はWebライターをしています。

地方公務員になれば勝ち組みたいな風潮があるよね。
実際のところはどうなのかな?
本記事では、そんな疑問にお答えします!
就職先や転職先として絶大な人気を誇っている地方公務員。
なんといっても倒産のリスクがゼロ、ノルマがないなどのメリットがあります。
反面、異動が多さや給料の低さなどのデメリットもよく知られています。
今回は、市役所で10年働いた筆者が、地方公務員として働く6つのメリットと4つのデメリットを徹底解説します。
最後まで読んでいただければ、地方公務員が勝ち組か負け組かを判断していただけるはずです。
就職してから後悔しないために、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
地方公務員として働く6つのメリット

ここでは、メリットの具体例を6つ紹介していきます。
①倒産のリスクがない
民間企業のような、突然、会社が倒産して路頭に迷うリスクがないです。
民間では、社会・経済情勢の変化により企業の商品やサービスが売れなくなり、市場から淘汰(とうた)される可能性があります。
就職した企業で定年退職まで働ける保証はありません。
その点お役所は、時代が変わっても住民の福祉・生活を改善するために存在し続けます。
唯一、夕張市が財政破綻しましたが、消滅したわけでもなく、職員給与は(下がったものの)払われ続けています。
就職すれば、定年まで働き続けられる安定性は大きな魅力といえます。
②ワークライフバランスがいい
お役所には、お休みを取りやすい文化があります(一部部署をのぞく)。
ベテラン職員や上司が有給休暇をどんどん消化するため、わたしも遠慮なくお休みをもらっていました。

そろそろ年末だから、有給休暇どんどん取ってね!
こんな感じで、上司から有休消化をうながされる場面も珍しくありません。
なお、総務省のデータを見ると、政令指定都市>都道府県>市区町村の順で取得日数が多いようです。

さらに、育児休暇や介護休暇、病気休暇も取得しやすい環境が整備されています。
ほとんどの職員が女性職員の産休・育休取得に協力的です。
出産・育児によって自分の席がなくなるとか、居心地が悪くなるような話を聞いたことがありません。
近年は男性職員の育児休暇取得率も上がっており、彼らは1ヶ月程度の育休を取得するケースが多かったです。
なお、休み以外の福利厚生についても以下の記事で解説しています。

③やさしい性格の上司・同僚が多い
全体的にやさしい性格の職員が多いです。
- 競争原理が働いていない業界
- 人間関係が働きやすさに直結する
- パワハラに敏感になっている
お役所には競争原理がないので、厳しい指導をしてまで部下・後輩を教育する動機が生まれにくいです。
また、人間関係がこじれると仕事に支障が出るため、相手が同僚であっても言動に気を配るのが基本。
パワハラにも厳しく、どのお役所にもハラスメント通報窓口が用意されています。
これらの理由から、争いを好まない、おだやかな職員が多数派を占めているのだと思います。
④仕事が仕組み化されている
お役所は前例踏襲主義なので、ほとんどの仕事にマニュアルが存在しています。
マニュアルさえ読めば、過去の事例や懸案事項、参照する法律・条例を理解することができます。
つまり、畑違いの部署に異動しても判断に迷う場面や致命的なミスをする場面が少ないのです。
ちなみに、マニュアルを通じて仕事内容を共有できることは、休みの取りやすさにもつながっています。

育児休暇などで同僚が長期間いなくなっても、その穴をカバーできる資料が揃っている点は心強いです。
⑤ノルマがない
事務系公務員はノルマに追われるストレスがありません。
お役所にも個人で立てる目標、組織目標はあります。
しかし、達成できない場合でも上司から詰められることはないです。
民間企業、特に競争の激しい業界では、厳しい言葉を浴びせられる場面もあるはず。

今月の数字悪すぎるだろ!未達ならどうなるか分かってるだろうな?
お役所では「どうしたら達成できるか一緒に考えようか。」と優しく声をかけてくれる上司が多い印象です。
⑥世間体がいい
特に高齢者へのウケがいいです。
世間体がいいことは、以下のようなメリットがあります。
- 親や親戚を安心させられる
- 交際相手の親から信頼してもらいやすい
- 他人から馬鹿にされることが少ない
日本人は安心・安定を重視する人が多いので、やや公務員が過大評価されているのかもしれません。

市役所をやめたとき、親や友達から「もったいない・・・」と言われ、ブランド力の強さを実感しました。
地方公務員として働く4つのデメリット

光があるところには影もある。ここでは、地方公務員として働くデメリットを4つ紹介します。
①部署(上司)ガチャで人生決まる
地方公務員は異動希望が通りにくいです。
つまり、個人のスキルと仕事内容とのミスマッチが起こりやすいです。
- 接客対応が苦手な職員が、窓口の最前線に配置される
- うっかりミスの多い職員が、複雑な計算を必要とする資料作成を担当する
- パワハラで潰れた経験のある職員が、パワハラ上司がいる部署へ異動する
このような例は数えきれないくらいあります。
自分が希望する仕事ができるのか、相性の合う上司と仕事ができるのかは、ほぼ運任せです。
これをお役所では「部署(上司)ガチャ」と呼んでいます。
当たりが出れば数年間楽しく働けますが、ハズレを引くと病んでしまうことも。

年一回の「内示(職員異動の非公式通知)の日は、まるでお祭りのようになります。」
特定の部署で働く姿を想像して就職・転職を志望している方は、望まない部署に配属されるリスクを考慮しておいた方がいいですね。
②給料が上がりにくい
地方公務員は仕事の頑張りが給与に反映されにくいです。
人事評価で最高評価をとっても、年間の昇級額が数千円しか変わらない仕組みになっています。
ろくに働かないベテラン職員が800万近くもらって、懸命に働く若手が400万円しかもらえないという理不尽さ。
やりがい搾取と言われても仕方のない状況です。

適正な評価をしてほしい!
若いうちにバリバリ働いて稼ぎたい!
もしそう思っているなら、公務員への就職はおすすめしないです。
③成長を感じづらい
仕事を続けていても成長している実感がわきづらいです。
- 成果が数字にならない仕事が多い
- 特定の職員にスポットライト(表彰など)を当てる文化がない
数字で表せる実績がないと、自分の実力を認識しづらいですよね。
また、個人が表彰される機会がないと、他人からの評価が掴みづらいです。
やる気のある人にとって、自己評価と他己評価があいまいになってしまう環境は、もどかしいと思います。
④効率の悪い仕組みが残っている
特に内部事務において、古くて非効率的な仕組みが残っています。
- 大量の紙文書を使っている
- ミスが起こるとチェックリストが増える
- 結論の出ない(意味のない)会議がある
- テレワークができない
- ボトムアップの仕組みがない
組織は大きいのに、まるで中小零細企業のような働き方をしています。
前例踏襲を重んじるあまり、変化や改革を嫌う側面があるのでしょうね。
最新のサービスを活用して効率的に仕事をしたい人にとっては、歯がゆい環境だと思います。

例外的に、一部自治体ではSmartHR(クラウド人事労務システム)の導入など、内部事務の効率化が行われています。
まとめ:なんだかんだで地方公務員は勝ち組

退職して、改めて思いました。

結局のところ、地方公務員は勝ち組!
特に安定性や世間体については、失ってはじめて実感しました。
当然ながら、個人事業主は自分から仕事を取りにいかないと収入が得られません。
また、地方公務員のような有利な条件でローンも組みことは困難です。
デメリットはあるものの、安定的な収入・社会的地位が得られる地方公務員は恵まれていると思います。
古い組織文化に対して、「仕事は仕事」と割り切って働けるなら地方公務員をおすすめします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。